こんばんは、ノアです。
今回は世界の教養学習10日目、ネフェルティティの胸像についてです。
エジプト美術の中でも非常に有名な作品の1つで、1912年にドイツ人考古学者ルートヴィヒ・ボルハルトによって、現エジプトの町アマルナ近郊で発見されました。古代の彫刻師トトメスの工房跡で見つかったもので、ボルハルトはこれを壊れた陶器だと偽ってひそかに国外へ持ち出しました。
胸像は、約3400年前に作られたとされていますが実際は古代エジプト人たちが使用していた顔料の発色を調べる目的で1912年頃に制作された「複製品」の可能性が出ています。
高さは約50センチあります。わずかに両方の耳たぶが欠けているだけでしたが、この胸像は左目がはめ込まれていた形跡がありませんでした。
胸像が王妃に似せて作られたのか、それとも理想的な美の姿を造形したものなのかは、今も判明していません。
胸像は、ベルリンの新博物館で見ることが出来ます。
ネフェルティティとは
エジプトを紀元前1353年から前1335年まで支配したファラオ、アメンヘテプ四世の最も重要な王妃です。
研究者の中には、彼女こそ背後で新宗教を推進した人物であり、一時期は共同摂政として政治にも関与していたと考えている者もいます。
複製品であるとするいくつかの根拠
・左眼が彫られていないことは像を本人と見なしていた古代エジプト人にとっては不敬にあたる。
・肩が19世紀以降のアール・ヌーボー風を思わせるように、垂直方向にカッティングされている。
(古代エジプトの彫像は、肩が水平方向にカッティングされている)
・発掘現場に居合わせたフランス人の考古学者らは、胸像について一切言及しておらず、発見に関する記録も残していない。
・極めて重要な発見にもかかわらず、ボルハルトは詳しい報告をしていないばかりか、この胸像をスポンサーの自宅に10年間も放置していた。