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口承から文学へ:『イリアス』と『オデュッセイア』の伝承

こんばんは、ノアです。

 

今回は世界の教養学習30日目、『イリアス』と『オデュッセイア』についての記事です。

 

ホメロスの『イリアス』と『オデュッセイア』で語られる物語の影響は今日も残っています。

 

コンピューターのマルウェアトロイの木馬」や、アメリカのマンガ『X-MEN』の登場人物サイクロップスから、「弱点」を意味するアキレス腱、「誘惑」を意味するセイレーンの歌声まで、この叙事詩に出てくるものは今も、私たちの文化に欠かせないものとなっています。

 

イリアス』と『オデュッセイア』は叙事詩で、朗誦つまり声に出して歌われていたらしく、文字に書き記されるまでは口承で語り継がれていました。その過程でホメロスが実際にどのような役割を果たしたのかは今も謎のままです。どちらの作品も前8世紀かその前後に、古代ギリシアの一部で現トルコの地中海沿岸にあたるイオニア地方で成立したと考えられています。

 

イリアス

アキレウスアガメムノンヘクトルなど、アカイア(ギリシア)とトロイの間で起きたトロイ戦争に従軍した英雄たちの活躍を描いています。

神話によると、この戦争は、トロイの王子パリスが世界一の美女であるスパルタ王妃ヘレネを誘拐し、トロイに連れ帰って自分の妻にしたのが発端でした。戦争が10年目に入ったところから始まり、アカイア軍の戦士アキレウスの怒りにスポットを当て、この英雄が併せ持つ優れた資質と致命的弱点を詳細に語っています。作品中でホメロスは、生き生きとしたイメージをわき起こす表現を用いており、そうした比喩表現でも、この叙事詩は有名です。

 

オデュッセイア

続編である『オデュッセイア』は、ギリシア軍の英雄オデュッセウスが、トロイ戦争後に帰国の途に就き、妻ペネロペイアに再会するまでに見舞われる数々の試練の物語です。

故国に帰り着くのに10年もかかるが、それはオデュッセウスが海神ポセイドンを怒らせたためで、ポセイドンは、ありとあらゆる手を尽くしてオデュッセウスの航海を妨害します。それでもオデュッセウスは、持ち前の才覚と女神アテナの助けによって、ついに故郷イタケ島に戻り、貞淑な妻ペネロペイアに言い寄っていた何人もの求婚者たちを皆殺しにしました。